2016年度イタリア・オペラ研修助成対象者の発表


一般財団法人さわかみオペラ芸術振興財団(以下「当財団」)は、2016年3月、イタリア(ボローニャ市)と東京との2会場において、「イタリア・オペラ研修助成対象者選抜オーディション」、「Japan Opera Festival 2016 ≪トゥーランドット≫ソリストオーディション」とを同時開催し、両会場併せて174名(うち研修助成希望者135名)のご参加をいただきました。

審査員による厳正な歌唱審査、および当財団による面接選考の結果、今年度の研修助成対象者を以下の通り決定いたしました。

イタリア研修助成対象者(2016年度合格者)

月額30万円
1年間(12か月)
梨谷 桃子(なしたに ももこ)
井出 壮志朗(いで そうしろう)
藤山 仁志(ふじやま ひとし) 以上3名
月額30万円
半年間(6か月)
岸浪 愛学(きしなみ あいがく)
上田 純子(うえだ じゅんこ)
大川 博(おおかわ ひろし) 以上3名

イタリア研修助成延長対象者(2015年度合格者の期間延長)

月額30万円
3か月間延長
岸 七美子(きし なみこ)
原 璃菜子(はら りなこ)
武井 基治(たけい もとはる) 以上3名

審査員:
Maestro 吉田 裕史(審査員長、ボローニャ歌劇場首席客演指揮者、同フィルハーモニー芸術監督、さわかみオペラ芸術振興財団芸術監督)<イタリア/東京会場>
Maestro Giorgio Zagnoni(ボローニャ歌劇場フィルハーモニー 理事長)<イタリア会場>
Maestro Leone Magiera(ピアニスト、声楽指導者)<イタリア会場>
Mr. Fulvio Macciardi(ボローニャ歌劇場 公演監督)<イタリア会場>
Mr. Antonio Tasca(トリエステ・ヴェルディ歌劇場 公演監督)<イタリア/東京会場>
Mr. Lorenzo Genitori(元メッシーナ歌劇場 芸術監督)<東京会場>

当財団の研修助成制度について

当財団の研修助成は、マエストロ吉田の「もっと世界の舞台を志すオペラ歌手が日本から出てきて欲しい」という想いと、当財団の「世界トップレベルを目指して勝負したいという熱い思いを持った有望な歌手にチャレンジできる機会を提供したい」という理念、そして私たちの理念を支えてくださる賛助会員の皆様のご支援、それらが結実して実現したものです。

オーディション参加者の中から、強い気概と有望な実力を持った方を選抜し、最長1年間、イタリアで研鑽を積んでいただくための助成を行います。合格者は、研修期間を「学習」して過ごすのではなく、歌劇場の舞台に立つための「挑戦」する時間とすべく研鑽することが求められます。したがって歌唱力はもちろんですが、世界中から集まった歌手たちに伍して歌劇場で出演の機会を勝ち取るだけの強い意志と情熱、堂々と渡り合える胆力、語学力、コミュニケーション能力を見極め選抜しています。

その努力と気持ちに応えるべく、当財団は助成金に加え、イタリア各地の歌劇場と築いた関係をもとに劇場内の研修やオーディションに参加するチャンスも提供しています。
実際に昨年のオーディション合格者のうち4名が、この1年間のうちにイタリアのトップレベルの歌劇場でのデビューを果たすことができました。

さらに、当財団は合格者に対する助成支援を1度限りとはしてはおりません。世界トップレベルを目指す活動を長期的に支援することを主眼とし、さらなる成長が見込まれる限り、その支援を惜しまず継続的なサポートを行ってまいります。
したがってこれまでの合格者であってももう一度オーディションに参加し、前回からの大きな成長が審査員に認められれば再度の合格ということも十分にありえます。
あるいは、残念ながら再合格に至らず助成金支援が終了したとしても、当人が成長への志と意欲を失わず、努力を続けていると認められる限り、長期的な視野に立ちその成長の助けとなる機会の提供は惜しみません。

なお、今回同時開催を行った「Japan Opera Festival 2016 ≪トゥーランドット≫ソリストオーディション」の選考結果については、本年5月頃の発表を予定しております。

当財団は日本にオペラ文化を広げる活動の一環として、イタリア・オペラ留学助成をはじめ、日本人歌手や音楽家の育成支援を行っております。

当財団の理念に共感し、私たちの活動を支えてくださる賛助会員の皆様に深く御礼申し上げますとともに、より一層多くの皆さまからのご支援、ご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。

以上

2016年4月22日
一般財団法人さわかみオペラ芸術振興財団