日本・サウジアラビア「ビジョン2030」音楽交流事業
ジャパン・フェスティヴァル・オーケストラ<サウジアラビア公演>

サウジアラビアでは長い間、歌舞音曲の披露はもとより文化事業の実施には種々の制約が課されており、サウジ国民に対する外国文化の紹介も限定的な形でしか行えない環境にありました。
しかし、現在の指導者層は、若者に対する文化や娯楽の提供が社会の安定や経済的な事情からも必要であることを理解しており、2016年4月に発表された『サウジ・ビジョン2030』において、娯楽庁を発足させ「サウジ国立オーケストラ」設立の承認も行われる等、文化事業の推進が広がっています。
2016年9月サルマン サウジアラビア副皇太子が来日。
安部総理大臣との会談でサウジアラビアが進める脱石油依存への経済・社会の変革プラン、『サウジ・ビジョン2030』に日本が協力していくことが決定しました。
サウジアラビア国内での文化面の大きな目標「サウジ初の国立オーケストラ」設立に向けて、その目標達成に向けた「第一歩」を刻むべく、サウジアラビア国民がクラシック音楽を身近に触れる事ができる機会を作ることを目的として、公益財団法人さわかみオペラ芸術振興財団はこの事業に賛同し、サウジアラビア国内で初となるフルオーケストラコンサートを開催いたしました。



公演概要

公演名 日本・サウジアラビア「ビジョン2030」音楽交流事業
ジャパン・フェスティヴァル・オーケストラ<サウジアラビア公演>
公演日 2017年4月13日(木)
会場 キングファハド文化センター(リヤド)
演目 両国国歌斉唱
ヴェルディ作曲/「オテロ」より舞踊曲
チャイコフスキー作曲/「くるみ割り人形」よりアラビアの踊り
ハチャトゥリアン作曲/「ガイーヌ」よりレスギンカ
ボロディン作曲/「イーゴリ公」よりダッタン人の踊り
モーツァルト作曲/「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」第1楽章
ロッシーニ作曲/「セビリアの理髪師」より-私は町のなんでも屋-
マスカーニ作曲/「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲
プッチーニ作曲/「蝶々夫人」より-ある晴れた日-
外山雄三作曲/管弦楽のためのラプソディー
-アンコール-
滝廉太郎作曲/花
指揮 吉田 裕史(公益財団法人さわかみオペラ芸術振興財団 芸術監督)
出演 ソプラノ:原 璃菜子
バリトン:加藤 史幸
演奏:ジャパン・フェスティヴァル・オーケストラ

ご挨拶

 文化とは、友人や仲間と文化的に繋がることを目的とした人間世界の心であり、国民を結ぶ橋であり、発展のための手段であります。そして文化とは、政治及び個人レベルの両方において、あらゆる関係が融合した普遍的な概念でもあります。国民同士の繋がりを示すサウジ・日本関係は、国際社会の理想のひとつであり、ふたつの友好国はそれぞれ誇るべき文化を有しています。
 サウジアラビア王国と日本は、国際的に高貴且つ公正な立場を共有し、平和の実現と統一の精神を広め、人間性に基づいた集団社会の間の調整を行い、国際場裏におけるリーダーシップで国際社会からの評価を集めています。このようなサウジアラビア国民の重要な役割及び日本のような先進国との関係強化への熱意は、我が国政策の努力の結晶であるだけでなく、寛容なイスラム教の教えに拠るものであり、二聖ムスクの守護者サルマン国王、ムハンマド・ビン・ナーイフ皇太子兼内務大臣、ムハンマド・ビン・サルマン副皇太子兼国防大臣の英明な指導者たちによる統治のビジョンであります。
 サウジアラビア王国は、文化に関わることを賛美し、文化は人々を結びつける人間の言葉と捉え、アブドルアジーズ初代国王によるサウジアラビア王国の統一以来、文化施設の設立及び芸術家や文化人の支援に力を入れています。世界やこの地域が経験したあらゆる出来事にも関わらず、この支援が止まることがなかったのは、この構造が堅固で揺るぎない基礎で成り立っているからに他なりません。
 本日、この類のない文化機会を通して、文化的財産と知識を有した日本の皆様の参加を得て、今まで以上の関係強化及び文明的な文化交流を期待すると共に、この戦略的な協力が、引き続き両国国民の利益となることを祈願しています。
 ここに日本の友人の皆様を歓迎いたします。

サウジアラビア王国
文化情報大臣
アーデル・ビン・ザイド・アル・トライフィー

 この度、サウジアラビア王国での「日本文化週間」開催にあたり、日本人演奏家のオーケストラによるコンサートを挙行できることは、我々にとって大変喜ばしく光栄なことであります。今年3月にサルマン国王が国王として46年振りに日本を訪問し、両国関係がより強固なものとなっているこの時期に、二国間交流を祝福するコンサートを実施できることは極めて有意義且つ時宜に適ったことではないかと考えます。
 サウジアラビア王国は、昨年4月に「サウジ・ビジョン2030」を新たに掲げ、経済の多角化だけではなく、活気ある社会の実現に向けて力を入れている最中にあります。このコンサートは、昨年の9月ムハンマド副皇太子の訪問の際に、政府間で交わされた文化交流覚書にあるサウジ国立オーケストラ設立支援の一環であり、また、同10月にリヤドで開催した「日本・サウジ・ビジョン2030閣僚級会合」において、我が国の支援策のひとつとして
確認した事業であります。「日本文化週間」では、日本の伝統文化やポップカルチャーに加え、日本の音楽をサウジアラビアの皆様にご紹介することで、両国民の相互理解がさらに進むことを確認しています。
 この機会をお借りして、本公演の開催にご尽力いただいたサウジ文化情報省及びさわかみオペラ財団、並びに協賛企業をはじめとする関係各位に深く感謝を申し上げます。また、これを機会に両国間の文化協力が一層促進されることを心から祈願しております。

日本サウジアラビア「ビジョン2030」
音楽交流事業運営実行委員会 名誉実行委員長
駐サウジアラビア日本国大使
奥田 紀宏

 サウジアラビアではじめてとなるクラシックコンサートの話がある。それを日本がやってはどうか。リヤド在住の奥田大使から、イタリアはボローニャ歌劇場の首席客演指揮者マエストロ吉田を通して、その可能性を打診されました。ちょうど1年前のことです。
 これは日本にとって大いに名誉なこと。さわかみオペラ財団がお引き受けしようと即座に決めました。
 日本にとってサウジアラビアはきわめて重要な国であります。経済や政治の分野で友好関係を深めるのみならず、文化の面でも両国の絆をもっともっと強くしていきたいものです。
 今回のガラコンサートは、両国間でより文化交流を高めていく第一歩となるものです。なんとしても大成功を収めたいと、慎重
かつていねいに準備してきました。それが、ようやく実現の運びとなり喜ばしい限りです。
 この歴史的なイベントに参加する日本人演奏家たちは、いずれも世界レベルの厳しいオーディション審査で合格した、将来が楽しみな若手音楽家です。彼ら彼女らには、日本を代表しているのだという自覚と誇りをもって、マエストロ吉田の指揮の下、最高の演奏をしてもらいましょう。

日本サウジアラビア「ビジョン2030」
音楽交流事業運営実行委員会 会長
公益財団法人さわかみオペラ芸術振興財団
澤上 篤人

主催 日本・サウジアラビア「ビジョン2030」音楽交流事業実行委員会
公益財団法人さわかみオペラ芸術振興財団
後援 在サウジアラビア日本大使館
協賛(順不同) ユニ・チャーム/三菱電機/住友化学/伊藤忠商事/三菱商事/日立製作所/三菱東京UFJ銀行丸紅/いすゞ自動車
日揮/双日/三井住友銀行/豊田通商/トヨタ自動車/住友商事/ソニー/みずほ銀行/デンソー
東京海上日動火災保険/住友倉庫千代田化工建設/JFEエンジニアリング/日本電機/東レ/日本取引所グループ
太洋物産/横河電機/ナショナルパイプカンパニー
支援(順不同) 三井物産/酉島製作所
特別協力 新日本フィルハーモニー交響楽団/ボローニャフィルハーモニー管弦楽団/東邦音楽大学
協力 近畿日本ツーリスト/JTBコーポレートセールス/近鉄エクスプレス/神戸国際ステージサービス
弦楽器工房高崎/IMS-アイエムエス-
(順不同)