ドビュッシー(アンリ・ビュッセル):交響組曲「春」
ー今週のテーマは、春の兆しー草木萠動(そうもくめばえいずる)
ー霞たなびく、すみれ色の春の雰囲気。
ドビュッシーは1884年にカンタータ『放蕩息子』でローマ大賞を獲得し、ローマのヴィラ・メディチ(メディチ荘)へ留学した。
その際、『春』はボッティチェッリの名画『春』と、絵画部門のローマ大賞受賞者の同名作品からのインスピレーションを得て1886年から1887年にかけて作曲された。
1887年2月にヴィラ・メディチで合唱と2台ピアノの版を完成した後、パリでオーケストレーションを完成している。
1912年になって、ドビュッシーの指示を受けたアンリ・ビュッセルが、元の合唱部分も管弦楽で奏する形での新たなオーケストレーションを行った。
曲は、緩・急の2楽章からなり、主題は両楽章で共通している。
第1楽章 トレ・モデレ(Très modéré) 8分の9拍子 茫漠とした春色の世界。
第2楽章 モデレ(Modéré) 4分の4拍子 光が差してきて生き生きとしたリズムの春。
演奏は、ピエール・ブーレーズ指揮クリーブランド管弦楽団。