ドビュッシー:神聖な舞曲と世俗的な舞曲
ー今週のテーマは、ハープ再興。
『神聖な舞曲と世俗的な舞曲』(Danse sacrée et Danse profane )は、ドビュッシーが1904年に作曲したハープ独奏と弦楽合奏のための作品。
この作品は、プレイエル社が開発した半音階ハープ(クロマティック・ハープ)のために作曲された。従来のハープが全音階に調律され、半音階にペダル操作を必要としたのに対し、半音階ハープは弦の数を増やして半音階の演奏を容易にしようとしていた。クロマティック・ハープにはいくつか欠点があり、その最大のものは弦の数を増やしたために響きが悪くなることで、作曲者のドビュッシー自身、クロマティック・ハープには疑問をもっていた。結局この楽器は普及に至らず、エラール社の開発したダブル・アクション方式のペダル・ハープが、改良を重ね今日用いられるハープになっている。
曲は、緩・急2曲からなり、続けて演奏される。
1 神聖な舞曲(Danse sacrée ) トレ・モデレ(Très modéré) 2分の3拍子
2 世俗的な舞曲(Danse profane ) モデレ(Modéré) 4分の3拍子
演奏は、ハープがアンネレーン・レナエルツ、ミシェル・タバシュニク指揮ブリュッセル管弦楽団。
アンネレーンは、1987年ベルギーのペーアー生れ。2008年からブリュッセルとパリの音楽院でハープを学び、その後パリのエコール・ノルマルでイザベル・ペランに師事。
「リリー・ラスキーヌ国際ハープ・コンクール」でグランプリ。2010年12月からウィーン・フィルハーモニーの首席ハープ奏者。