マスネー:バレエ組曲、歌劇「ル・シッド」より
ー今週は指揮者フランソワ=グザヴィエ・ロトにフォーカス。
ー今日はスペインの色彩豊かなバレエ音楽。
この作品のもととなったロドリーゴ・ディアス・デ・ビバール(「エル・シッド」El Cid 仏語)の物語はオペラの題材として高い人気があり、マスネはこの題材を扱った史上27人目の作曲家だったと言われている。
第2幕第2場冒頭のバレエ音楽は、単独の管弦楽曲としてよく取り上げられ、スペイン各地の「様々な興味深いリズム」が盛り込まれている。以下の7曲からなる。
1.Castillane カスティーリャ風 パステルカラーの小粋な旋律と鮮やかで歯切れのいい音楽の交錯。
2.Andalouse アンダルシア風 憂いを帯びしっとりとした旋律。
3.Aragonaise アラゴン風 明るく華やかな色彩。
4.Aubade 朝の歌 管楽器のユーモラスな音色とリズム。
5.Catalane カタルーニャ風 情感たっぷりの旋律を軸に、悲しげに楽しげに展開していく。
6.Madrilene マドリード風 ロドリーゴの「アランフェス」風の哀愁に満ちたメロディに始まり、リズミカルでダイナミックな音楽に引き継がれる。
7.Navarraise ナバラ風 シャープな三拍子のリズムが弾み、生き生きとした旋律が華やか。組曲の締めくくるにふさわしい音楽。
演奏は、ロト指揮ル・シエクル。歯切れの良いリズム感、管楽器の鮮やかな色彩感がとてもいい。