ラヴェル:序奏とアレグロ
ー今週のテーマは、ハープ再興。
ー今日はラヴェル。
 「序奏とアレグロ」(Introduction et Allegro)はラヴェルが作曲した、ハープとフルート、クラリネットおよび弦楽四重奏のための七重奏曲。
 エラール社のダブル・アクション方式のペダルつきハープの普及のために、同社より依嘱された室内楽曲。
 作曲1905年 6月。出版は1906年,デュラン社,委嘱エラール社。初演は1907年 2月22日,フランス写真協会ホール。
 フランスのピアノ・メーカーであるエラールとプレイエルは、19世紀を通してフランスでピアノを広げてきたが、20世紀初頭、ハープでも凌ぎ合いがあった。
「序奏とアレグロ」は、ドビュッシーがハープと弦楽合奏のために作曲した「神聖な舞曲と世俗的な舞曲」(Danse sacrée et Danse profane)と同時期の作品。
ドビュッシー のこの作品は、プレイエル社の新型の半音階ハープの普及のために作曲された。
エラールのハープが現代のハープの原型となったのに対して、プレイエルの発明品は忘れ去られてしまっている。
《序奏とアレグロ》は変ト長調、単一楽章のソナタ形式ふうの作品で、美しい2つの旋律主題を軸に繰り広げられている。
序奏は4/4拍子、主部はワルツ風の曲調となり3/4拍子。ハープのやや長めの印象的なカデンツァも挿入されており、室内楽編成によるハープ協奏曲とも言える。
 演奏は、オーストラリア・シドニーのオメガ・アンサンブル。アーティストは、Rebecca Chan (violin), Claire Herrick (violin), James Wannan (viola),
Paul Stender (cello), Jane Rosenson (harp), Lisa Osmialowski (flute), David Rowden (clarinet).2015年の録画。