スメタナ(H. Trnecek編曲):ブルタヴァ(モルダウ)、「わが祖国」より
ー今週のテーマは、ハープ再興。
ーまずは、目の覚めるようなハープの演奏から。
 オーケストラ曲を聴き続けて、特に巨大なオーケストラの場合は、全体の音量の大きすぎて
ハープの音が極めて小さく感じたい、かき消されてしまったりすることがよくある。またハーピストの
表現力の多様性というものも、ピアノやヴァイオリンなどと異なって、あまりクリアではない。
 こうした中で、この楽器の価値を高めることはどうしたらできるのか。ー時々そんなことを考えていた。
 今回は、春先に似合うこの楽器の、こうしたテーマに接近してみたい。
 まず聞いたいただきたいのは、一昨年日本デビューして昨年も来日した、ザンクト・ペテルスブルク出身のサーシャ・ボルダチョフの表現力豊かな「モルダウ」。
使用しているハープは、イタリアの名工房 Salvi Harpsの「サルヴィ」。楽器も素晴らしい。