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OPERAJOURNAL

奨学生の相樂和子さん(ソプラノ)にインタビューしました

2021.11.01

インタビュー

助成制度を受けようと思ったきっかけを教えてください。

大学院卒業後は、本場のイタリアでオペラを学びたいと、留学助成を行っている団体を探していました。私の尊敬している原璃菜子さんがこちらで助成を受けられていたこと、そしてHPで澤上理事長の熱いメッセージを拝見し応募しました。私は2回目の挑戦で合格しました。1回目に不合格になった理由を自分なりに考えたところ、語学に堪能であることはもちろん、強い意志を持ちオペラに心を捧げ、世界で活躍できる人材が求められているのだと感じました。

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どちらに留学されましたか?

審査員の一人であるヴィンツェンツォ・デ・ヴィーヴォ氏のいるオージモ歌劇場アカデミアに留学しました。オージモは、イタリア共和国マルケ州の畑や山に囲まれた静かな町です。校舎は山頂に建てられているため、ケーブルカー(フニコラーレ)もありましたが、到着するまで時間がかかるので、毎日徒歩で山道を登りました。

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留学先でどんなことを学びましたか?

まずレパートリーレッスンでは、先生に一人ずつ割り当てられたレパートリーに沿ったアリアを勉強しました。またコレペティトールのレッスンでは、オペラ全幕を先生と学びました。さらにヴィンツェンツォ氏のレッスンでは、10~20分台本を音読し、そのあと皆でディスカッションをしました。オペラは古い言語が使われているので、現代語に訳したときに意味を正しく理解しているのか、こと細かに確認していくという濃密な講義でした。
さらに、演出家による喜怒哀楽や舞台上での表現方法を学ぶ演技レッスン、イタリア語、時々フランス語を交えて語学のレッスンがありました。これらのレッスンについていくために、お昼休みや帰宅後は、毎日復習と予習。そして隙間時間には録音した先生の会話を聞き返して、ノートに書き出す作業を行いました。イタリア語はテンポが速く、内容は理解していても、正しい文章で伝えようと思っているうちに、会話から取り残されてしまうことも。その時にどんな形であれ、まずは発信することが大切だと気づきました。

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今後の展望や将来の夢について教えてください。

コロナ禍の中、イタリアでは世界一死者・感染者数が多い状態が続きましたが、「今が覚悟の時だ」とイタリアに残る決断をしました。
しかし、アカデミアでパンデミックが起き、やむを得ず一時帰国することになったため、カリキュラムを終了できなかったことが、どうしても心残りでした。そこで今年の12月にあらためて留学することに決めました。アカデミアを卒業し、オーディションを積極的に受けていきたいと思います。
また4歳からずっと変わらず持ち続けている夢は、「舞台に立って歌い続けること」です。歌えなくなるその時まで、歌い続けたいと思います。そのために、しっかりとしたベルカント唱法を身に着け、本格的な言語で皆様に音楽をお届けしたいと考えています。そして、演奏にかける情熱を心に灯し続けて、これからも精進して参ります。

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相樂さんの一日のスケジュール
  • 5:00|起床→歩く・走るといった体力づくり《体力がないと身が持たない!》
  • 8:30|家を出発
  • 9:00|レッスン
  • 12:30|休憩(2時間)ランチ・予習復習《疲労困憊で15分寝ることも》
  • 15:00|レッスン
  • 18:00|歌の自主レッスン(教会の地下)・予習復習《なんと!修道院で暮らした時期も》
  • 23:00|就寝

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