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観劇レポ|~愛があふれる~冬のイタリアン・アンソロジー

2023年12月15日、東京都千代田区のイタリア文化会館にて『~愛があふれる~冬のイタリアン・アンソロジー』が開催された。本公演は、イタリアでの活動経歴をもつ歌手たちが、「イタリア・冬・愛」をテーマに、オペラのアリアやデュエット、クリスマスメドレーなどを披露するものだ。

2024.01.19 全国公演 東京

法隆寺での野外オペラをはじめ、日本各地で公演を開催した2023年。締めくくりとなる本公演の出演者には、さわかみ奨学生としてイタリアで実績を積んだ武井基治と、同じく奨学生で、現在は関西を中心に人気を博している梨谷桃子を迎えた。また奏者として、さわかみオペラオーケストラメンバーであるヴァイオリン奏者・雨川笑子と、情感あふれる伴奏に定評のあるピアニスト・篠宮久徳が彩りを加える。

プログラムはカンツォーネからイタリア歌曲、オペラの名曲などヴァリエーションに富んでいたが、中でも観客の心を掴んだのは、歌手たちの演技をつけて歌う『ラ・ボエーム』のアリアとデュエット集だろう。情熱的なロドルフォを、端正な声で歌い上げる武井。対して梨谷は、持ち前の艶やかな声を活かしつつ可憐なミミを演じる。イタリア文化に精通した2人は、ロマンティックで観客の気持ちを高揚させるような表現に長けている。まさに「イタリア・冬・愛」のテーマに相応しい演目だった。

また一部では、歌だけでなく雨川のヴァイオリンソロも加わる。重厚で深みのある音色で、高難易度の『チャルダッシュ』を見事に披露した。 クライマックスは、この時期に相応しい『クリスマスメドレー』。出演者全員が可愛らしいトナカイやサンタ帽で登場し、盛大に会場を盛り上げた。 カーテンコールの後、スタンディングオベーションで幕を閉じた2023年の最終公演だが、今年の締め括りとして、当財団の会長・澤上篤人の公演レポートをお届けしたい。

(以下、文:当財団理事長 澤上篤人)本公演は、主催者の自分が言うのも妙だが、本当に素晴らしかった。 東京はもちろんのこと、遠方の徳島や大阪、そして浜松など全国各地からお出でくださった皆様からも、「これは価値あるよ、来て良かった!」 「こんなにも感動を味わえるなんて!それで、このチケット代は安すぎるよ」と、異口同音にお褒めの言葉をいただいた。 お客様にこれだけ喜んでもらえるとは、まさに主催者冥利に尽きる。

テノールの武井基治は8年余り、オペラの本場イタリアで歌手の道を邁進してきて、セリエA歌劇場で数多くの作品に出演するまでに成長した本格派。この12月15日は彼の凱旋公演でもあったが、これだけお客様に喜んでいただけるなら、もっと大きなコンサートホールで、あらためて凱旋公演を企画しなければ、そう思った次第。 ソプラノの梨谷桃子も、やはりイタリアで修業を積んできており、最近は関西方面で超のつく売れっ子となっている。その梨谷が12月15日の夜は、武井とイタリアの本舞台で共演しているかのように気合が入っていた。

ピアノの篠宮久徳は抜群の演奏力を持っていて、いつもオペラ歌手に寄り添いながら、彼らの力を見事に引き出してくれる。ウチのオペラ公演では、かけがえのない存在となっている篠宮が、その篠宮もこれまた乗りに乗っていた。 ヴァイオリンの雨川笑子は、これまで4回の公開オーディションで21名しか合格していないさわかみオペラオーケストラのメンバーであるが、その一員にふさわしい演奏を存分に発揮してくれた。 こう書いてくると、来年の春先にでも第2弾をやってみたくなってきた。なんのことはない、もう一度聴いてみたいのは、主催者の自分かもしれない。

公演名

~愛があふれる~冬のイタリアン・アンソロジー

開催日程

2023年12月15日

開催会場

イタリア文化会館ホール

公演内容

「イタリア・冬・愛」をテーマにした、オペラのアリアやデュエット、クリスマスメドレー他

主な出演

梨谷桃子(ソプラノ)/武井基治(テノール)/雨川笑子(ヴァイオリン)/篠宮久徳(ピアノ)

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