オペラは街の未来への投資である
7月25日(土)、弘前市民会館にて「青森オペラ『ラ・ボエーム』」が開催された。 「青森オペラ」では昨年の『愛の妙薬』に続く2回目の全幕上演。この日、会場には全国各地から多くの来場者が駆け付けた。

2026年7月25日、FLOWフッシーの会の仲間約30名とともに、弘前市民会館で上演された青森オペラ『ラ・ボエーム』弘前公演に参加しました。『ラ・ボエーム』は、若者たちの夢と友情、貧しさ、恋、そして別れを描いた物語です。華やかな成功者ではなく、まだ何者でもない若者たちが、懸命に生き、愛し、夢を語る。だからこそ、時代や国を超えて、私たちの心を動かし続けるのだと思います。

私は投資家として、長年たくさんの会社や経営者を見てきました。その経験から感じるのは、人の心を動かすものは、完成された「結果」だけではないということです。むしろ、何かが生まれようとする瞬間や、誰かが本気になっている姿にこそ、人は強く惹かれます。 今回の弘前オペラにも、まさにその力がありました。

舞台上の歌手や演奏家だけでなく、この公演を実現するために動いた多くの人たち、会場に集まった観客、そして街そのものが、一つの大きな物語に参加しているように感じました。東京や海外の大劇場で聴くオペラとは違う、弘前で上演されるからこその温かさと熱が、会場全体を包んでいました。 終演後のレセプションや打ち上げでも、出演者、関係者、観客の距離が近く、それぞれの喜びが直接伝わってきました。舞台が終わればすべてが終わるのではなく、そこから新しい人のつながりが始まっていく。それもまた、地域でオペラを開催する大きな意味なのだと思います。

文化や芸術は、すぐに売上や人口増加として数字に表れるものではありません。しかし、人の表情を変え、街への誇りを生み、「またここに来たい」「次も何か一緒にやりたい」という気持ちを育てます。そうした目に見えない変化こそ、地域の未来をつくる本当のモメンタムです。 今回、FLOWフッシーの会から約30名で参加できたこともうれしい出来事でした。同じ舞台を観て感動を共有し、その後に出演者や関係者の皆さんと交流する。こうした体験は、一人で観劇するのとは違う形で、音楽の喜びを何倍にも広げてくれます。

私は、投資とはお金を出すことだけではないと思っています。時間を使うこと、人に会うこと、応援すること、そして可能性を信じることも、すべて投資です。 そう考えると、さわかみオペラの取り組みは、まさに街と人の未来に対する長期投資です。 弘前の地で『ラ・ボエーム』を体験し、音楽には人と人を結び、地域に新しい流れを生み出す力があることを、あらためて実感しました。

素晴らしい時間をつくってくださった出演者、演奏家、スタッフ、関係者の皆さま、そしてこの取り組みを長く続けてこられた澤上篤人さんに、心から感謝申し上げます。 この日の舞台から生まれた流れが、弘前から青森へ、そして日本各地へと、さらに広がっていくことを楽しみにしています。(寄稿:レオスキャピタルワークス ファウンダー、HEVN STAGE代表 藤野 英人)
公演名
青森オペラ「ラ・ボエーム」
開催日程
2026年7月25日
開催会場
弘前市民会館 大ホール
公演内容
全4幕/原語上演/日本語字幕付き/ピアノ伴奏
主な出演
ミミ:黒田詩織、ムゼッタ:竹村真実、ロドルフォ:東原佑弥、マルチェッロ:田中夕也、ショナール:鈴川慶二郎、コッリーネ:杉尾真吾、ベノア/アルチンドロ:宮本史利、合唱:コーロ・クアトロミッレ、指揮:山崎隆之、ピアノ:清水綾、演出:武井基治、合唱指導:松中哲平




